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『#アルシュを語る』蒼川わかさんインタビュー

お知らせ
2019.08.01
 
イラストレーター 蒼川わかさんに聞く、アルシュの魅力
 
アルシュ水彩紙をご愛用いただいている蒼川わかさんに、アルシュや作品制作についてのお話を伺いました。

 

 

--蒼川わかさんと水彩との出会いについて教えてください。

最初はマーカーで作品を描いていたのですが、色を混ぜたり重ねることがなかなか難しく、使いこなすことが出来ませんでした。色々な作家さんが透明水彩を使用していることを知り、それをきっかけに水彩絵具を買って使い始めるようになりました。
筆の太さや水分の加減でグラデーションを作ったり、広い面積を一気に色塗りできるため、水彩を使いやすいと思うようになりました。
 
 
--アルシュ水彩紙との出会いについて教えてください。

最初は価格的に手を出しやすい水彩紙を使って描いていました。しかし、色を重ねていく塗り方に変わってから、今まで使っていた水彩紙だと下の色が抜けて白くなってしまったり、剥げてしまうことが多くなり、使いにくさを感じるようになりました。そのあと『アルシュは高めだけれど、作品の保存をしやすく色を重ねやすい』ということを知り、使い始めるようになりました。あとは以前から画材屋で見かけて憧れていたという理由もあります。
少しずつ色を重ねる塗り方になっていくにつれて、アルシュが一番使いやすくなりました。
 
 
--アルシュ水彩紙の使い心地はいかがですか?

塗るときは深い部分だと4、5回、浅い部分でも2、3回は色を重ねます。最初に全体的に下地を塗り、にじみを作ってから細部を描き込むこともあります。色が抜けてムラになることがないため、アルシュは塗りやすいと感じています。下地の色が透けた状態で残ることによって、色の層が重なっているようにも見えます。下地を生かしながら色の重なりの美しさを表現できるところがアルシュの利点です。
マスキングをして薄めに色を塗り、場所によって少しだけマスキングを剥がして、また塗り重ねる手法をとることがありますが、アルシュは頑丈なので、他の紙より紙の表面が傷つきにくいです。
 
 
--作品によくブライトホワイト※をお使いいただいていますが、その理由を教えてください。
※ブライトホワイト…ナチュラルホワイトよりも白いコットンを使用したアルシュ水彩紙(https://www.bonnycolart.co.jp/product/detail/125/)
 
1つ目はコントラストをつけやすいことですね。黒や紺色などを置いて人物を白く残して浮き上がらせるような表現をしたいときは、ブライトホワイトを使うことが多いです。ホワイトの強い水彩紙の方が、白く残した部分が輝いて見えると思います。
2つ目は紙肌が白い方がスキャンをしやすいため。スキャンの面において、紙肌は極細が向いていると感じています。その点でもブライドホワイトの極細を使うことが多いです。
 
 
--ラフはデジタルもお使いになるとのことですが、蒼川わかさんが作品制作に水彩を選ぶ水彩の面白さ、楽しさを教えてください。

デジタルの利点は修正がしやすいことです。そのため、普段はデジタルでラフを描いています。そのまま描き進めたい気持ちはあるのですが、水彩のにじみ方や重なりの偶然性が好きなことから、最終的には水彩を選んでいます。
水彩は原画を展示をすることができますし、塗り方を工夫して凹凸をつけたりなど、立体的な仕掛けをすることが可能です。そこが面白いと思い、水彩や原画展示を続けています。
道具や塗り方ひとつで絵の印象がガラッと変わってしまうため、まだまだ研究の余地はあると思っています。紙の質感や色、絵具の種類やメディウム、そういった色々な道具を取捨選択して、自分の作品として落とし込むところがアナログの面白さと思っています。
 

 

 
蒼川わか
 
東京都在住のイラストレーター
純喫茶や路地などのノスタルジーな風景を描く
現在 文房堂アートスクール「水彩イラスト入門」講師
その他、装画やCDジャケット等のイラスト制作に携わる
10/14(月) - 20(日) 文房堂 Gallery Cafeにて個展を開催予定

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