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曽谷朝絵さん

曽谷 朝絵 さん

身近にある素材をモチーフに、美しい色彩と光や波紋の表現で、視覚、触覚、聴覚といった人間の身体性に訴えかける作品を制作しているアーティスト。「Bathtub」や「Air」のシリーズで広く知られているが、今回はシセイドウアートエッグ4にて「色が奏でる音の反響」をテーマにインスタレーション「鳴る色」を新たに発表。

プロフィール
1974 神奈川県に生まれる
2000 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了
2006 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻にて絵画博士号取得
2007 東京藝術大学大学院美術研究科 油画研究室 非常勤講師
賞歴・助成
2000 『JACA日本ビジュアル・アート展2000』準グランプリ
2001 『第6回 昭和シェル石油現代美術賞展』グランプリ
2002 『VOCA展 2002 - 新しい平面の作家たち』VOCA賞グランプリ
2006 『横浜市創造的芸術文化活動支援事業補助金』奨学者 ('07)
ほか、個展、グループ展、多数開催。

 

ビデオメッセージ :: アトリエ編

 2009年12月14日、横浜ZAIMのアトリエの一室にて、「鳴る色」の制作を進めている曽谷朝絵さんにお話を伺ってきました。

 この日、曽谷朝絵さんが制作している作品「鳴る色」は、2010年1月8日から1月31日まで資生堂ギャラリーで開催される「第4回 shiseido art egg 展」において一般公開されます。 横浜の曽谷朝絵さんのアトリエで作られた1つ1つのパーツは、東京銀座の資生堂ギャラリーに搬送されたのち組み立てられ、壁面・天井・床を覆うインスタレーション作品となります。

 今回は、「鳴る色」というコンセプトについて、曽谷朝絵さんならではの美術観を語って頂きました。 絵の具が持つ色を音になぞらえて、自在に操る曽谷朝絵さんのアートの心が伝わってくるメッセージです。

 曽谷朝絵さんからのビデオメッセージをぜひご覧下さい。

(※ 「HD」を“on”にすると高画質でご覧頂けます。)

「第4回 shiseido art egg 展」の情報はこちら next


ビデオメッセージ :: ギャラリー編

 2009年12月28日、資生堂ギャラリーにて、「鳴る色」の展示作業を進めている曽谷朝絵さんにお話を伺ってきました。

 2010年1月8日から1月31日まで資生堂ギャラリーで開催される「第4回 shiseido art egg 展」において、曽谷朝絵さんが制作した作品「鳴る色」が公開されます。 12月28日の時点では、横浜ZAIMにある曽谷朝絵さんのアトリエで作られた1つ1つのパーツを搬入し、組み立てと飾り付けを行っていました。 この展示作業が完了した暁には、壁面・天井・床を覆うインスタレーション作品となります。

 今回は飾り付けの大詰めを迎えたいへんお忙しいところ、「鳴る色」の1つ1つのパーツについて、曽谷朝絵さんのこだわりを語って頂きました。

 曽谷朝絵さんからのビデオメッセージをぜひご覧下さい。

(※ 「HD」を“on”にすると高画質でご覧頂けます。)

ビデオメッセージ :: 完成作品編

 完成作品をぜひご覧下さい。

Q&A


今回のインタビュー全文を以下でご紹介しています。

● 今回の「鳴る色展」のコンセプトについて教えてください。

作品模型「鳴る色」 鳴る色というのは読んで字のごとし「色が鳴る」という意味です。私がこれまで絵画制作の中で、色彩という物にすごく大きな興味を持ってやってきましたが、その時に色が発する音というのをずっと聞きながら色を選定したり色と色を組み合わせたりしていました。その色の組み合わせから生まれる和音が立ち上がってくる瞬間にその絵画が完成したと感じたりします。
その色から発する音が頭の中を飛び回るという光景がずっと近くにあったものなので、その光景そのものを作品にしたいと思いました。
多分それは、色と音の間にある空間なんだと思います。
色から発する音というものを感覚した時の光景というか・・・
そういう色と音の間の風景を幻視させる事で、認識することそのものも考えるきっかけになるようなビジョンが生まれるのではないかと考えています。

● 「鳴る色」の制作にリキテックスを選んだ理由は?

リキテックスと曽谷朝絵さん リキテックスはすごく発色が良くて粒子が細かいのと、その粒子の中にたくさんの色が入っているというか、色の密度が濃いので、それをすごく感じたので、使っています。あと容器もいろいろな種類があって、かなり特殊な描き方をしているので、床にまくような感じで色を塗ったりだとか、そういった事をする時にボトルサイズがあったり、ソフトタイプとハードタイプと、硬い柔らかいで種類が分かれていたりするので、その時にどう塗りたいかによってタイプを選べるのでとても嬉しいです。

● 特に気に入っている色などはありますか?

どれもとても気に入っていますが、よく使う色はプリズムバイオレットとかセルリアンブルーとか、蛍光色も使います。中でもセルリアンブルーがとっても発色がきれいで、上品というか、気に入っています。

作品「Ripples」

● リキテックスを塩ビに塗る際にヘラ状のものを使ったり、刷毛を使ったりしていますが、どういった違いが生まれるのでしょうか?

はけ塗りとへら塗りは出したい効果によって使い分けています。実際の展示ではレイヤーになっているので分かりにくいですが、刷毛で塗った部分は塗後が見えていて、ヘラはわりとマットな感じになっています。刷毛の場合も敢えてマットにする場合もありますが、手の動かし方でキザキザした感じにもできます。

レイヤーは1つの層が小さいパーツの組み合わせで構成されているものもあれば、大きなパーツで構成されているものもあります。多い所では4層くらい重なっています。透明、不透明をレイヤー状に組み合わせることで手前側のパーツの形が浮き出て見えたりもします。そういった色彩と形の効果の組み合わせによって、一つの色彩世界を作っています。

● 絵を描き始めたきっかけは何でしたか?

きっかけはよく分かりませんが、3歳ぐらいから気がついたら好きで描いていました。クレヨンや水彩絵具を使っていたと思います。

その頃から色彩感覚はあまり変わっていないと思います。子供の頃の絵がたまに出て来たりしますが、「かわらないんだな」と不思議に思ったりします。

● リキテックスとの出会いは?

作品「Bathtub」 ずっとアクリルを使う時はメーカーは意識せずに買っていましたが、鳴る色のプロジェクトが始まるきっかけにもなったライブペインティング、ZAIMの別館の壁や床、天井に直接絵を描いていった時にアクリル絵の具を大量に使いました。その時にどのメーカーを一番多く使っているか確認してみたらリキテックスでした。大きなボトルで購入する際にいろいろと検討しましたが、やっぱりリキテックスの発色が良いという事になりました。それ以来ずっと使っています。


● 描く際、技法状のプロセスなどはありますか?

作品「Circles」 不透明色と透明色の組み合わせによって発光するような感じを出したり、同じ色でも近くにくる色で汚く見えたりキレイに見えたりするので、そういう色の選定で自分なりの色感を出しています。その時に感じているのが色から出る音で、ある色とある色を隣に置いた時の、互いの組み合わせが心地いいか悪いかという判断をしています。

● 作品の制作はどの程度のペースで行っていますか?

作風によっていろいろです。油絵の場合は1ヶ月〜数ヶ月かけたりしますが、今回のプロジェクト「鳴る色」のように塗ってから切るというものだ、と切る作業自体はとっても早かったりします。水彩のエアーのシリーズでは瞬間性を活かした表現なので結構早く仕上がります。


● 作品を通して伝えたいメッセージやテーマは?

作品「air」 日常の中の非日常。日常の中にある変わる瞬間。まったく別の次元に行くのではなく、例えば日向から日陰に入った時に自分の位置はまったく動いていないのにその人の世界が変わる、水の中に潜った時に自分の位置関係は変わらないのに世界が変わる。そういった事に少し似ている、日常をちょっとずらすというその中の非日常を感じてもらえると嬉しいです。

● 好きなアーティストは?

たくさんいますが、オキーフとかピータードイルとかメイプルソープです。やはり、色彩に興味があるのだと思います。


● 作品以外の趣味や興味のある事は?

作品「air」 水関係の事が好きです。水辺に行ったり、プールで泳いだり、水があるとずっと見ていたりします。あとは本が好きです。活字が好きなんですよね。カポーティとか好きです。日本の作家さんだと江國香織さんやよしもとばななさん、中島らもさんとか村上龍さんも好きです。乱読ですけど。家に帰ってもビジュアル系のものを見ると自動的に取り入れようとしたり参考にしようとしたり批評的な目で見てしまったりするので、活字を読むと安らぐのかもしれません。
ビジュアル系のものを見るのも大好きですが、すごくリラックスしようとする場合は活字系にいくのかもしれません。

● リキテックスについて一言お願いします。

今回のプロジェクトで協賛してもらい助かっています。
リキテックスの絵具にはとてもプライドを感じます。発色やテクスチャなどにとてもこだわりを感じるので、そういう絵具の力に私も負けないようにいい作品を作ろうと思いますし、とても助けられています。これからもよろしくお願いします。

● 今後の予定、そして将来の夢をお聞かせ下さい。

アトリエの曽谷朝絵さん 2010年は韓国で油絵の個展があります。あと、昨年からプロダクトデザインで参加しているランデブープロジェクト(アーティストと企業を組ませていろいろな商品開発をするというプロジェクト)の発表会があります。
今後の夢は今回の「鳴る色」の展示をさらにいろいろなところで発表していきたいです。それと平行して油絵や水彩など、今までの作品も作り続けていきながら、作風はいろいろあるけれども自分の追いかけているものが本当は何なのか、という事を追求したいと思います。
今回の資生堂のプロジェクトが完成したら、そこからまた新しい発見がたくさん出来ると思います。自分が作ったものだけれども、それが部屋いっぱいに並んだらいろいろな事が分かるのではと思っていて、そこから発生したものを違う作品に結びつけて行きたいです。



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